日本の教育、「"真の改善点"は3つある」世界に学べ 世界一革新的な「ミネルバ大学」と比べると…

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「ミネルバ大学」マイク・マギー新学長
後編では「ミネルバ学長自身の原体験」にも迫りつつ、「日本の教育に足りない3つの点」について考えます(写真:筆者提供)
ミネルバ大学は2014年の設立後、国連機関が発表する「World's Universities with Real Impact」で2022年、MITやスタンフォードを抑えて第1位に輝いている。
設立後10年にも満たない大学が「合格率1%の世界最難関大学」となり、「極めて短期間で、世界で最もイノベーティブな大学」として世界中から精鋭が集うようになった、その理由は何なのか? 教育改革の必要性が長らく叫ばれる日本は「世界の教育イノベーション」から、いったい何を学ぶべきなのか?
ミネルバ大学で新たに学長に選任されたマイク・マギー氏に、新著『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。』など、グローバル教養をテーマにした著書が多数あるムーギー・キム氏が、インタビューに臨んだ。
前編:「合格率1%「世界最難関大学」、凄さを総括してみた

驚くべき「ミネルバ流アクティブラーニング」の神髄

前編では、世界から注目されるミネルバ大学がさらなるスケールアップをはかるため、世界の拠点都市を増やそうとしており、その候補都市のひとつとして日本も俎上に上がっていることを取り上げた。

『そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。―― 文化・アイドル・政治・経済・歴史・美容の最新グローバル日韓教養書』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

後編では、大きな成功を収めてきたミネルバ大学がさらにどう進化していくのか、また「国際性」「多様性」を重視する教育方針の背景にある「ミネルバの学長自身の原体験」とは何なのか、その2つに迫っていきたい。

ムーギー・キム(以下、ムーギー):本インタビューの前編記事「合格率1%『世界最難関大学』、凄さを総括してみた」でも触れましたが、「アクティブラーニング」というと、教育界でバズワードになっていて、日本の教育シーンでも、どこもかしこも「アクティブラーニング」を標榜しています。

しかしながら、どうも形式的で効果的な学習になっていないケースも散見されます。

「効果的なアクティブラーニングの実践」でも定評があるミネルバ大学から見て、その効果を発揮するためには、何が必要だと思われますか?

マイク・マギー学長(以下、マギー学長):まずは、「参加する人が目標をもって参加していて、学ぶ意欲が高いこと」です。そうでなければアクティブラーニングは成立しません。

また、教師側も自分がその場で唯一のエキスパート的な存在になるのはダメで、いかに自分が専門とするトピックであろうと、授業での対話を通してファシリテーターに徹し、「参加学生から学ぼう」という姿勢が大切です。

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