前編・後編の2回にわたってお届けしてきたミネルバ学長インタビュー、お楽しみいただけただろうか。
最後に私なりのキー・テイクアウェイ(重要ポイント)とメッセージを3つ挙げて、みなさんの議論に期待したいと思う。これこそが「日本の教育に足りない3つの点」ともいえる。
「特徴」と「革新」がない大学は淘汰される
まず、「自分の学校の特徴を端的に表現すると何なのか」を、日本の大学で説明できる学校は少ないのではないか。
ミネルバでは「①国際性」「②学際性」「③少人数でのオンライン・アクティブラーニング」「④7拠点でのプロジェクトベースラーニング」と、その特徴は明確だ。
現在では、知識はいくらでもオンラインで効率的に得られるようになっているからこそ、学校教育の役割は「いかに学生同士の良質な信頼関係を構築する環境を整えるか」「いかに良質な実際のプロジェクトを学生に体験させる機会をつくるか」の競争になっていくようにも思われる。
大学に求められる役割が変わっていくなかで、日本の大学はどのように変わっていくのか、その豊富なヒントがミネルバ大学の取り組みの中にあると感じる。
次に、「大学を率いる学長が、教育のミッションに関してどのような原体験とビジョンを抱いているのか」。
日本の大学で、自分の学校の校長の「教育ビジョン」や「原体験」を知っている人は、ほぼいないように思われる。
国や企業のリーダーに強力なビジョンが必要なのと同様、「大学の伝統と時代に即した明確なビジョン」が求められていると言えるだろう。
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