矛盾した話に聞こえるかもしれませんが、「話に自信があり、滔々(とうとう)と話したがる人」ほど、相手からすると「一方的に畳みかけてくるだけ」で、雑談としては盛り上がらないということです。
人は雑談でも、ついつい「自分の話」をしてしまいがちです。イギリスのある調査によると、人は会話の30~40%「自分の話」をしており、SNS上では80%が「自分の話」なのだとか。
「自分のことを話すとき、それが会話でも、ソーシャルメディア上でも、人はお金や食べ物、セックスと同じような快感を覚える」。ハーバード大学の神経学者が、こんな驚きの調査を発表しています。
被験者の脳を調べたところ、「自分のこと」を話すとき、食事やセックス、お金やドラッグによって分泌される「快楽ホルモン」であるドーパミン放出と関連する箇所が活発化するのが確認されました。
「お金をもらうよりも、『自分の話』をすることを選ぶ人のほうが多かった」という実験さえあります。「あの人の話が止まらない」のには、こういう理由があるのです。
これを裏返すと、相手に「マイク」を渡し、話をさせて聞いてあげれば、相手を快楽ホルモンで包み込んであげられるということです。そんな人は無条件で好かれ、愛されます。
これはカラオケと同じです。自分が「マイク」を握ったままでは周りの人は興ざめでしょう。「マイク」を相手に渡して、「相手に気持ちよく歌ってもらう」ことができれば、結果として、雑談や会話はどんどん弾むのです。
「剛速球を投げる」より「キャッチボール」を続けよう
相手の話を聞きながら、「次に何を話そうか」と考えていませんか。その時点で、「聞く」ことより「話す」ことに意識がいっているということで、実は「アウト」。
「剛速球」を投げて「自分の力」を見せつけようとするよりも、「受け止めやすい球」で「キャッチボールを続けるコミュニケーション」のほうがお互い気持ちのいいやりとり、雑談になるものです。
つながりにくくなる世の中ではありますが、ちょっとしたノウハウとマインドセットで、自分を閉じ込める「独房」の壁や、盛り上がらない「雑談」にも、「大きな風穴」を簡単に空けることができるのです。
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