音楽配信サービスの「Spotify」「Apple Music」や、動画配信サービスの「Netflix」「Hulu」に代表されるサブスクリプション型サービス。今や組織・人事に関するサービスにおいても、このサブスク型モデルが乱立している。
なかでも注目を集めているのが、従業員を対象にアンケートを実施する「人事サーベイ(調査)」のサービスや「人事管理ツール」だ。従業員満足(Employee Satisfaction)やエンゲージメントの重要性に関心が集まっている社会的背景があるが、月額数百円/人で利用できるという手軽さも後押しして、急速に浸透している。
サーベイ疲れ
しかし、こうしたサーベイやツールが普及するうちに、回答・運用する側の現場の従業員からは不満の声も聞こえはじめている。「毎月答えることが面倒くさい」「忙しい業務の合間を縫ってまでやる意味があるのか」と辟易しており、「サーベイ疲れ」を起こしている。
このようなコンディションを放置していると、「エンゲージメントを上げるためのサーベイで逆にエンゲージメントが下がる」という笑えない本末転倒な事態になっているケースすらある。
そこで今回は、このサーベイ疲れが起きてしまうメカニズムについて解説する。企業の組織・人材開発を手がける筆者徳谷に持ち込まれる実際の事例を踏まえて、失敗しないサーベイやツールの活用方法について考えていきたい。
サーベイ疲れを引き起こす典型的なパターンは、把握したい事柄をあれこれと盛り込みすぎて設問が膨大になったり、さまざまな種類の調査を行ったりすることで、回答する側の従業員負荷が増大しているケースがある。
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