企業にお勤めのみなさんは、「人事部」と聞くとどんなイメージを持っているだろうか。社員の評価などの機密情報を扱う仕事の性質もあり、漠然と特権的な役割だと感じている人が多いかもしれない。事実、人事部へ異動することが“出世コース”だとみなされる会社もあると聞く。
しかし近年、企業における人事のあり方は変わりつつある。例えば、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の導入。人材採用における応募者とのやり取りや労務における給与計算などを、外部の専門チームに委託するケースが増えており、人事部の社内人員は縮小傾向にあるのが実態だ。
HRTechの活用も盛んに
アウトソースが当たり前になりつつあるだけでなく、最近ではHRTechと呼ばれる人事関連のテクノロジー活用が盛んでもある。人が担ってきた役割は、ますますAIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)に置き換えられていくだろう。時代の変化を理解せずに出世コースだとあぐらをかいていると、いつの間にか機械にポジションを奪われかねない。
このように、従来の人事の役割を「社内の人間が」担うことは減っている一方で、徐々に重宝されはじめている役割もある。それが「戦略人事」と呼ばれる存在だ。企業の経営・組織コンサルティングを手がける弊社エッグフォワードでも、近年このポジションの設置についての相談が急激に増加している。
ところが従来の人事を担ってきた人に、突然次の日から「戦略的に人事をやって」と任せてもうまくいくものではない。そこで今回は、戦略人事の必要性を紹介するとともに、その役割を務める人が持つべき心構えや、導入のポイントなどをお伝えしていこう。
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