デジタルネイティブとして育った現在20代後半~30代のミレニアル世代、それより若いジェネレーションZと呼ばれる現在の20代前半が、労働人口の約1/3を占めるようになってきています。彼らは、仕事や労働に対する価値観も多様化している世代で、総じて一律的なものの見方が多い今の管理職世代との価値観とはちょっと違います。
仕事の取り組み方に関して言えば、彼らにおける会社の「位置づけ」が大きく変わってきています。それは「就社」から「就職」への意識の変化といえるでしょう。1つの会社への忠誠から自分の成長へ軸がシフトしているのです。
「自分が成長できるかどうか」が大切
今年の就活も売り手市場と言われていますが、就活生の意識にもそれが表れています。リクルートキャリアの調査で、就職予定の学生に入社の決め手となった項目を尋ねたところ、1位となったのは、「自らの成長が期待できる」で全体の約半数(47%)に上りました。次に「福利厚生(住宅手当等)や手当が充実している」の項目が続いています。年収や企業規模などの項目ではありませんでした。
成長志向と関連してもう1つ興味深いデータがあります。アデコグループが13カ国の若者に対して行った2017年の調査で、「あなたは将来の職業に必要なスキルを身につけていますか?」と尋ねたところ、「持っている」と回答したのは日本ではわずか30%だけで、世界で最下位の数字でした。13カ国平均では73%が持っていると回答しているのと比べて半分以下です。
これらを見ると、日本の若者はまだまだ自分のスキルに不安を持っており、将来に備えてもっとスキルを身につけたい、だからこそ自分が成長できる機会のある企業へ就職し、自分磨きを行いたいとの意識が高まっていると言えます。
海外でも、若い世代ほど成長志向が強まる傾向にあるようです。アメリカのHRテック企業のレポートによれば、企業で働く人の68%が、働く環境において最も重視することとして、その会社の人材育成方針を挙げており、ことミレニアル世代に関しては87%が、専門性を伸ばせることが非常に大事であると答えています。
一方で、厚生労働省の調査によると、大卒以上の新卒社員が3年以内に離職する率(早期離職率)は、恒常的に3割を超える水準にあり、人材不足が叫ばれる中で若者のリテンション対策は待ったなしとなっています。そこで今回は、せっかく入社してもらった人材に長く活躍してもらうために、企業ができることを4つ紹介しましょう。
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