企業にとって離職防止は重要施策
このところ、米国各地の企業にとって非常に深刻で頭の痛い問題としてつねに真っ先に挙げられるのが、社員の離職率です。人口減少に加えて、これから多くの社員が定年退職の時期を迎えることを考えると、この割合は今後も一層高まることが予想されます。また、転職する人の数も過去数年間で急激に増加しており、2016年12月時点の離職者数は300万人を超え、実は景気後退前の水準を上回るまでになっているのです。
絶えず新たな社員を採用して育成していくには多大なコストがかかることに加えて、ビジネスオペレーション全体として本当に打撃となるのは、そうした過程で生産性や顧客満足度、経営管理、従業員エンゲージメントといった側面に影響が出ることです。「売り手市場」の様相を呈してきた今、リテンション(離職防止)に最優先で取り組むことは、どの企業にとっても得策です。
以下に挙げるのは、企業の人事部門がすぐに始められる人材のリテンション戦略強化のための5つのポイントです。
1) 「成長できる機会」を可視化する
社員が会社に留まるには、自分がそこで成長できる余地があると感じる必要があります。ビジネスアドバイザリー会社FMG Leadingの社員分析スペシャリストのジョシュ・ケーラー氏は、「優秀な人材のリテンションのためには、やりがいのある仕事を与えることが最もいい動機づけになります。仕事量を増やすのではなく、トレーニングやコーチングを通じて、あるいは新たな役割を得ることで自己を高め、専門的なスキルを高める機会がつねに得られるようにすることです」と述べています。
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