4) 社内でのキャリアチェンジの機会を作る
社内で人材を調達できれば全般的なコストが抑えられ、外部から新たな人材を採用するよりもよいパフォーマンスが得られることは企業側も理解しています。しかし、コーナーストーンの調べでは、過去2年間で欠員を社内の人材で補充したケースは37%に留まっています。
社員に対して社内キャリアチェンジの機会を約束するには、会社が方針として明確に定めて、これをトップダウンで社員に知らせる必要があります。採用担当者が候補者の選考や後継人材について検討する際にこうした社内でのキャリアチェンジを考慮に入れて、何が何でも外部から採用するのではなく、まず社内の人材を検討してみるような文化を作り上げることです。
単に昇進機会を与えるだけではダメ
5) ラーニングや能力開発に投資する
社員が成長し、目標を達成して昇進していけるような文化を社内に作り出すためには、教育や能力開発に優先的に投資することを、経営陣が明確に理解している必要があります。
キャリア・トレンド・レポートでは、「会社にトレーニングや能力開発制度がある」という回答はわずか38%でした。一方、トップが人材育成を重視する社風を築いている会社は、収益の伸びが他社を2.7倍上回っていることも明らかになっています。まず、企業はラーニングや能力開発が自社のビジネス戦略にもたらす利益を数値化するところから始めて、明確で実行可能な人材育成計画を策定することです。
SDエクイティ・パートナーズの共同創業者兼CEO、エヴァン・ハリス氏は、「多くの会社は社内で十分に昇進する機会を与えていると思っていますが、さらにもう一歩進めて、社員がそうした機会を得るために必要なツールを与えることが重要です。知識を高めたり、スキルを身に付けたりするためのリソースを提供することによって、社員が会社に留まる割合は高まるでしょう」と話します。
調査の結果から、2つのことが明らかになっています。一つは、上司は自分の時間のうち最大50%を新入社員のために割くことができるということ、もう1つは、社員が会社を辞めるリスクが最も高いのは入社後の1年間だということです。ここで挙げた簡単なテクニックを実行に移すことで、大きなリテンション効果が表れるでしょう。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら