さて、今年も残すところあと2日となったわけだが、私はこのコラムをまたしても機上で、一年を振り返りながら書き綴っている。ちなみに今回は昨日、正義の雷(イカズチ)を落としたエールフランスではなく、キャセイパシフィックの機上から書いているのだが、ふとした興味からプレミアムエコノミーというエコノミーとビジネスの中間とされる席に初めて乗ってみたのだが、これが頗る快適だ。
下手なエアラインのビジネスクラスと大して変わらず、座席も広く綺麗でよく倒れる。またゲートが閉まる時間に遅れた私にギリギリ特別対応してくれたこともあり、機内食のクオリティ以外は、すっかりキャセイパシフィックを見直してしまった。
思えば日本によく来日していたころも、羽田空港のカウンターのお姉さんの笑顔が素敵なうえ、とても親切だったものである。ここで力強く、キャセイパシフィックを推奨しておくのでキャセイ関連の方がこれを読まれたらぜひ、10万マイルくらい振り込んでくれるなり、ファーストにアップグレードしてくれるなり、無用なお気遣いをどんどんしてくれれば、と願う次第である。
欲を言うならば、機内で読める雑誌や本に、話題騒然のベストセラー、「世界中のエリートの働き方を一冊にまとめてみた」を並べていただければ、乗客の方々(とくに私)の満足度も爆発的に上昇することであろう。
政治屋・メディア・市民が三位一体で低レベル化?
みなさん、2013年はどんな年でしたか?遠く日本に離れていて私が海の彼方から目にしたニュースで気になったのはいくつもあるが、日本の「メディア力の無さ」を実感する一年でもあった。たとえば猪瀬都知事の実質的な汚職と思える5000万円問題を、あのような不誠実な“説明”で終わらせてしまっていいのか。
実質的な汚職だと都民が思っている中、たかだか一年の勤務に対して1000万円という破格の退職金を、支給してしまっていいのか。東京五輪に寄付させるなど、猪瀬さんを守ろうという石原氏や自民党の勢力のため、都民への贖罪が極めてあいまいなまま幕引きがはかられている。
また経済優先、対話優先を打ち出して、結局国益と民意を無視した、独りよがりな安倍カラー政策を連発する安倍氏に対して何の歯止めにもなれない既存メディアの無力も残念な限りだ。政治家の一言ポリティクスをそのまま垂れ流すメディアと、それをおうむ返しで口にして嬉々として洗脳される人々を見るとき、政治・メディア・有権者が三位一体で愚かになっていくことに、危機感を感じる。
しかし2014年は、高い理想を掲げて日々まい進する東洋経済オンラインのような(ヨイショ!)クオリティ・メディアが今後も幅広いグローバルな視点から、政治屋や低劣な大政翼賛メディア人の言動を鋭く論評し、引き続き権力の番人、知性の源泉としてのメディアの役割を果たして言ってくれることであろう。
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