(1)そもそもテーマそのものに関心がない
そのテーマに関心がないと、意見の出しようがありません。たとえば、小学校低学年の子に政治のテーマについて話をしても、一般的に知識も関心もないため、意見する以前の問題となりますね。小学生に限らず、大人でも関心がないことには心が対象に向いていませんから、頭も動きませんし、「つまらない」以外の感情は出てきません。
子どもの意見を出すには
(2)意見が出るような質問がされていない
意見は、自分が思ったことを言うだけのことですが、質問する側が、「YES、NO」で答えられる質問や「まあまあ、普通、別に」と答えられる質問ばかりしていると、相手から意見は出てきませんね。
親:「今日、学校どうだった?」
子:「まあまあ」
親:「勉強やったの?」
子:「まだ」
このような会話は、実は結構、日常でなされています。悪いわけではありませんが、話は発展しません。
意見を出すためには、「どう思う?」「なぜだと思う?」といった質問をしなければ出てきません。ただ、気をつけなくてはならない点は、「なぜ勉強しないの!」の「なぜ」のように責める、追及するものだと子どもを追い詰めてしまいここでは逆効果ですので、その点だけは注意が必要です。
(3)間違いを恐れている
(2)のように、「なぜだと思う?」と聞かれても、「わからない」と答えられてしまったら、意見は出てきません。筆者がこれまで指導してきた子どもたちにもたくさんいました。なぜこのように「わかりません」と答えてしまうのでしょうか。その背景の1つに「失敗、間違い=悪」と刷り込んでいるという事情があります。
つまり、「質問されると、たった1つの正解を探す。それ以外はすべて正解ではない。正解ではないことを言うと間違いになり、拒否され、否定される」と感じてしまっていることがあります。これまで3500人以上の子どもたちを直接指導してきて、このことはいつも感じていることの1つでした。非常に多くの子どもたちが、このようなトラップにはまっていることに驚かされます。一体、いつからこのようになってしまったのか、不思議ですが、このような気持ちを持っている子どもには、次のことを教えてあげましょう。
「意見には正解も不正解もない。どう感じ、どう思うかだけのこと」
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