ブル弁事務所は司法修習生にとってあこがれの就職先である。ブル弁は世界を舞台に戦うグローバル企業がクライアントだから、扱う法律業務も最先端。普通に考えてかっこいいし、そこに高い報酬もついてくるとなれば、素直にあこがれて当然だろう。
弁護士は”割に合わない”キャリア
意外に思うかもしれないが、高い所得を第一の目的に弁護士を目指す人はまずいない。弁護士は昔も今も、いつ受かるかわからない難関試験をパスしなければなれない“割に合わない”職業だからだ。
年間の合格者が500人だった旧試験時代、司法試験に合格することは「宝くじに当たるようなもの」と言われた。
司法試験に手が届くくらいの頭脳の持ち主であれば、テレビ局や大手広告代理店、外資系の金融機関やコンサル会社に就職するほうが、司法試験に合格するよりもはるかにたやすい。旧試験組で司法修習期間が2年間だった時代に、3回目くらいで合格している弁護士だと、弁護士デビューは26~27歳。同年代で学卒後すぐに高サラリーの企業に就職した同期が26~27歳でもらうサラリーと同程度の初任給を出してくれる事務所となると、ごく一部のブル弁事務所に限られた。ブル弁事務所に採用されるには、ただでさえ宝くじレベルの司法試験で、上位での合格が条件になる。
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