日本の”ナンバーワン”弁護士は誰だ!? 知られざる”番号登録”の歴史

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多くの人から尊敬とあこがれのまなざしで見られる弁護士。彼らの胸元に鎮座する金メッキが剥げ落ちた、いぶし銀の弁護士バッジは、まさにその象徴だ。
だが、彼らのキャリアパスについてはあまり知られていない。今や弁護士と一口にくくれぬほど、彼らの活動内容や収入などのキャリアパスはマチマチだ。もはや同じ弁護士でも“別業種”といってよいほどに。そのうえ、細分化されたコミュニティは閉鎖的で、どのような活動をしているか、一般からは見えにくい。
“ブル弁”“ノキ弁”“イソ弁”などの言葉があるように、弁護士業界は多士済々。この連載では「弁護士という民族」に迫る。前回はブル弁を取り上げたが、4回目となる今回は、弁護士のアイデンティティの象徴であるバッジと登録番号を取り上げる。

2013年9月6日現在で、いちばん新しい弁護士登録番号は4万8267番。一方、弁護士登録人数は3万3581人。1万5000人以上の差が出るのはなぜか。登録番号は一代限りで、登録を抹消した人が使っていた番号を、誰かが引き継ぐことはなく、死亡したり引退したりで登録抹消した人の番号は、次々と欠番になっていくからだ。

弁護士は、所属する法律事務所の所在地の弁護士会を通じて、日本弁護士連合会(以下、日弁連)の弁護士名簿に登録をしないと、弁護士を名乗れない。

弁護士会は全国47都道府県に52カ所ある。東京都には3つ、北海道には4つ、それ以外の府県には1つずつあり、東京だけは3つのどこに入会するかは本人の自由だが、北海道も含めて、残りの道府県では所在地で入会すべき弁護士会が決まっている。

たとえば北海道の富良野市内の弁護士事務所に就職したら、管轄の旭川弁護士会を通じ、日弁連の名簿への登録手続をとる。札幌弁護士会や函館弁護士会ではダメだ。

日弁連は登録申請順に登録番号を付し、登録申請が同時なら50音順。近年は司法修習を終えても就職ができず、弁護士会費を払えないために登録を先送りするケースが出てきているが、そういった例外を除けば、登録番号はほぼ司法修習期順になっている。

司法修習期で決まる法曹界の上下関係

法曹の世界は裁判官や検事も含めて、基本的に司法修習期が古い順に上下関係が決まる。法曹は経験がモノを言う、ということが法曹界の住民の共通認識なのだろう。同一事務所内ですら、人事上の序列が稼ぎの順になっているという事務所は例外的。

現時点で最新の司法修習期は65期だから、法曹界でいちばん下っ端は65期ということになる。現在修習中で年末に登録が始まる66期が、まもなく65期に代わっていちばん下っ端になる。

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