日本の”ナンバーワン”弁護士は誰だ!? 知られざる”番号登録”の歴史

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弁護士バッジをいぶし銀にする涙ぐましい努力

弁護士にはいわゆる身分証明書は発行されない。弁護士であることを唯一、証明するものが弁護士バッジだ。正式には記章(徽章ではない)と言う。その弁護士バッジにも、登録番号に対するものと同様の強いこだわりを弁護士は持っている。
弁護士バッジは日弁連から貸与されるものなので、弁護士登録を抹消するときは日弁連に返却しなければならない。

バッジは造幣局で製造され、バッジの裏には造幣局の刻印とともに登録番号が刻印されている。登録抹消の際は、登録番号を返上するのだからその番号が刻印されたバッジも返却の対象になる。

再度登録する際には新しい番号が付与されることはすでに触れたが、バッジも新しい番号が刻印された真新しいものが貸与される。

バッジは何度紛失しても同じ登録番号のまま再交付されるが、顛末書を書かされ、1万円の再発行手数料も支払わなければならない。

悪用されないよう、紛失したバッジの番号は官報に失効公告が載り、再交付されたバッジの裏には、登録番号と造幣局の刻印のほかに、「再1」の字が刻印される。2度目の紛失なら「再2」、3度目なら「再3」である。

バッジは純銀製で表面に金メッキが施されているが、登録番号が古いほうがエラいという世界なので、バッジもメッキが剥げていぶし銀のようになっているほうがベテランに見える、というわけで、早くメッキを剥がそうとして、しょっちゅう指の腹でいじったり、小銭入れに入れ、ヒマさえあればしごいてメッキを落とすという、涙ぐましい努力をする。

いぶし銀派が大勢占める中、純金派も

当然、紛失すれば再交付されるのは金ピカバッジなので、それまでの努力は水泡に帰す。最高裁裁判官経験者といえども、かつては番号登録ルール同様、任官前のバッジは返却し、退官後は金ピカバッジを新たに貸与されていた。任期が終了すれば弁護士に戻ることがわかっているのに、である。

滝井氏の大運動で番号制度が変わった際、バッジのルールも変更され、最高裁裁判官への任官による弁護士登録抹消の際だけは、バッジは日弁連に預け、退官後はまた同じ古いバッジを返してもらえるようになった。

ちなみに、大半の弁護士がいぶし銀バッジを志向する中、あえて金ピカを志向する弁護士も極めて少数派ではあるが存在する。追加料金を支払うとメッキではなく純金製のバッジに取り替えてもらえる。追加料金は推定5万~6万円で、その時点の金相場に応じて値段が変動するという説もある。

残念ながら、筆者はこの純金バッジをつけている弁護士はたったひとりしか知らない。この弁護士、かなり強烈なキャラクターで知られる著名弁護士だが、この弁護士に匹敵する強烈なキャラクターの弁護士でも、基本的にバッジはいぶし銀派という弁護士が圧倒的多数。

筆者も何人か、この人なら純金製をつけそうだと思う弁護士を当たったが、いずれもいぶし銀派だった。かつて日弁連に、純金製バッジをつけている弁護士を教えてほしいというお願いをしたら、当然のことながらあっさり断られたことがある。

読者の方の中で、純金製をつけている弁護士をご存じの方がおられれば、ぜひとも編集部に情報をお寄せいただきたい。ご本人が申し出ていただけるのであれば、純金製バッジをつける心意気やポリシーを、ぜひ、伺ってみたいと思う。

伊藤 歩 金融ジャーナリスト

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いとう・あゆみ / Ayumi Ito

1962年神奈川県生まれ。ノンバンク、外資系銀行、信用調査機関を経て独立。主要執筆分野は法律と会計だが、球団経営、興行の視点からプロ野球の記事も執筆。著書は『ドケチな広島、クレバーな日ハム、どこまでも特殊な巨人 球団経営がわかればプロ野球がわかる』(星海社新書)、『TOB阻止完全対策マニュアル』(ZAITEN Books)、『優良中古マンション 不都合な真実』(東洋経済新報社)『最新 弁護士業界大研究』(産学社)など。

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