
2024年1月、米国で「ビットコイン現物ETF(上場投資信託)」が上場したことは、暗号資産の市場にとって歴史的な転換点となった。
米ブラックロックや米フィデリティなどの大手資産運用会社が相次いで参入し、市場全体の運用資産残高は1年で20兆円規模に拡大。中でも「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」(米ブラックロック)は、単独で約7兆円を集めて、過去最速級の成長を遂げている。

この急拡大の背景には、個人投資家のみならず、機関投資家の本格的な参入がある。ビットコインへの直接投資には従来、カストディー(資産管理)体制の未整備や会計処理の課題などの障壁が存在していた。が、ETFという証券化商品を通じ、既存の証券市場の枠組みで安全かつ効率的にアクセスできるようになり、参入のハードルが大きく下がった。
加えてETF上場を機に、ビットコインはインフレや地政学リスクへの備えとしても機関投資家から再評価され、“デジタルゴールド”としての地位を確立しつつある。ビットコインを分散投資の一環としてポートフォリオに組み入れる動きを強めているのだ。
米証券取引委員会(SEC)に提出された13F報告書によれば、24年末で1000社を超える法人投資家がビットコイン現物ETFを保有。米コインベースと米EYの共同調査では、回答者の86%が「すでにデジタル資産に投資」または「25年に投資を開始する予定」と回答し、今後も裾野の拡大が見込まれる。
イーサリアムに追い風も
米国ではビットコイン以外の暗号資産、いわゆる「アルトコイン」のETFに対する関心も高い。以下では次にETF化が進みそうな注目銘柄について考察する。
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