
2025年上半期のビットコイン相場の幸先は決してよくなかった。1月20日にはトランプ米大統領の就任式が行われ、相場は史上最高値の1BTC10.9万ドルを記録。だが、就任直後には期待したほど暗号資産に関する言及やアクションはなく、市場では失望感が広がった。
続く2月からトランプ関税が段階的に発動され、広範な金融市場でリスク回避が強まる。ビットコインも巻き添えを食うと、4月の相互関税発表後に相場は一時7.4万ドルまで下落。24年末の「トランプトレード」による上昇幅のほとんどをかき消したのである。
一時は11万ドル到達
一方、トランプ政権が相互関税の上乗せをめぐり、貿易相手国に90日間の交渉期間を与えると発表するや、リスクオフ・ムードが逆転。トランプ大統領が、利下げを渋るパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の解任をほのめかすと、中央銀行の独立性や金融システム不安への懸念からビットコインに買いが入り、4月下旬には9万ドル台半ばまで水準を戻した。
さらに5月には、ニューハンプシャー州とアリゾナ州で暗号資産を州の準備資産として保有可能とする法案が成立し、ビットコインは大台の10万ドルを回復。ムーディーズが米国債の長期信用格付けを1ノッチ引き下げたことで、国の信用毀損も相場の支援材料となり、5月22日には11.2万ドルの史上最高値を記録したのだ。
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