
地政学リスクの影響は大(写真はウクライナ侵攻、写真:ロイター/アフロ)
インフレが進み、地政学リスクも高まる中、金と暗号資産「ビットコイン」は2025年に史上最高値を更新した。本特集「今こそ知りたい『金』『暗号資産』」を読めば、資産防衛のために今できることが見えてくる。
Q1 金(ゴールド)は何に使われているのですか?
金の用途は大きく4つの分野に分類されます。
第1に最大の用途は宝飾品です。世界の金需要の約半分がこの分野に向けられ、ネックレスや指輪などのジュエリーに加工され、とくにインドと中国が牽引し、世界の宝飾品需要の約半分を占めます。宝飾品市場は経済状況に左右されやすく、好景気には需要が伸び、不況期には鈍る傾向があります。
第2に中央銀行や公的機関による金の保有が挙げられます。外貨準備の一環としての需要で約20%を占めます。2008年のリーマンショック以降、通貨への不信感が高まり、金は「信用できる資産」と再評価され、各国が保有量を増やす動きが強まりました。
第3に個人や機関投資家による投資目的の需要も約20%を占めます。金は株や債券と異なる値動きを示すため、リスクヘッジとしての役割が大きいのです。現物資産としての地金や金貨に加え、金の積み立て、金に連動するETF(上場投資信託)、先物など、投資手段も多様化しています。
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