人権派弁護士は食えるのか? 経営センスで雲泥の差 "マチ弁"の金持ち度

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多くの人から尊敬とあこがれのまなざしで見られる弁護士。彼らの胸元に鎮座する金メッキが剥げ落ちた、いぶし銀の弁護士バッジは、まさにその象徴だ。
だが、彼らのキャリアパスについてはあまり知られていない。今や弁護士と一口に、括れぬほど、彼らの活動内容や収入などのキャリアパスはマチマチだ。もはや同じ弁護士でも“別業種”といってよいほどに。そのうえ、細分化されたコミュニティは閉鎖的で、どのような活動をしているか、一般からは見えにくい。
“ブル弁”“ノキ弁”“イソ弁”などの言葉があるように、弁護士業界は多士済々。この連載では「弁護士という民族」に迫る。前回はブル弁を取り上げたが、3回目となる今回は、ブル弁とは対極にあるマチ弁を取り上げる。

日本弁護士連合会が昨年11月に発行した弁護士白書によると、2012年3月末時点で3万2088人いる弁護士のうち、1人事務所所属の弁護士は実に25.92%を占める。もっとも、1人事務所所属の弁護士の割合はこの10年間で大きく減っていて、2002年3月末時点(当時の弁護士数は1万8861人)では、45.28%が1人事務所所属だった。

2人事務所の割合は今も10年前もさほど違わず14%強だが、この10年で増えたのは3~5人の事務所と、6~10人の事務所だ。3~5人の事務所は10年前は19.76%だったが、2012年3月末時点では23.97%に増え、6~10人の事務所は8.92%から13.87%に増えている。

独立しない弁護士が増加中

その原因は、弁護士が独立しなくなったことにある。かつて弁護士は司法修習を終えて最初に入った事務所で3~5年修行し、独立するのが当たり前だった。現在40歳代半ばから上くらいの弁護士は、それが当たり前という時代に新人時代を過ごしている。新人を雇う側の弁護士もそういうつもりで雇っていた。

だが、弁護士を取り巻く環境が厳しさを増す中、新人は採用するのに、先輩弁護士たちが事務所を出て行かなくなったので、必然的に事務所規模が拡大するようになったというわけだ。

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