弁護士、会計士など、世間一般で「ゴールドライセンス」と呼ばれる資格の中でもピカイチの人気を誇るのが、「医師免許」だ。とはいえ、彼らのキャリアパスはあまり知られていない。
結婚、出世や転職、果ては、懐事情はどうなっているのか、一般のビジネスパーソンから見ても、彼らがどのようにキャリアを積んでいるのかは気になるところだ。この連載では医師専任のキャリアコンサルタントとして、300人以上の医師のキャリア設計に携わってきた中村正志氏が、医師たちの世間のイメージとは一風異なる内情をつづる。
さて、前回のコラムでは「医師の不養生」というテーマで書かせていただきましたが、今回は「医師のキャリア教育」にスポットを当てて話をしたいと思います。
「医師のキャリア教育」
という言葉を聞いて、皆さまどのように思われますか?なかなか聞き慣れない言葉ですよね。
“医師は免許を取得すれば、その後は自然にレールが敷かれているもの”
そんなイメージを持たれている方も、多いのではないでしょうか?
実際のところ、現時点で医師に対して本当に中身のあるキャリア教育や支援を行っている大学や医療機関というのは皆無に近いのです。
私は、2年ほど前にキャリアデザイン学会というところで、「医師の就職とキャリア支援の必要性」というタイトルで学会発表を行ったことがあります。弊社が医師向けに転職支援を行う中で、将来に迷う医師が増加していることに問題意識を持ったのがきっかけなのですが、今までに医師のキャリアというものに目を向けた発表はなかったようで、それなりに興味を持って受け入れられました。
そこで発表した内容を中心に、今回は医師に対するキャリア教育や支援の必要性を述べたいと思います。
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