もちろんそういったやり方が、すべていいというわけではないですが、少なくとも社会に出るうえでの基本的な教育やフォロー態勢はできている。しかしながら、こと医学部においては体系的なキャリア教育のプログラムがないのです。
なぜ医学部ではキャリア教育が行われないか
これだけ社会においてキャリア教育が盛んになってきているのに、医学部では依然としてキャリア教育には熱心ではありません。それはなぜか? 以下のような理由が考えられるのではないかと思います。
・医師の就職率はほぼ100%、就職を希望すればそれができないことはなく、少なくとも就職の支援は必要ない
・医学部というのは医学教育を受ける場だけではなく、臨床や研究をする場があり、卒業してもそのまま大学で勤務できる(大学としては今後の入局も含め残ってほしいので、ほかの病院情報など自分からは提供しない)
・医学部入学=医師という流れができており、ほかの職種についての選択肢がない
・医学部にはそもそもキャリアの専門家がいない
つまり大学医学部はキャリア教育をする明確な意義や目標が見えづらいのですね。(一般の大学は就職率アップという明確な目標がある)
とはいえ、私が多くの医師・医学生とお会いする中で、最低限のキャリア教育は大学で必要ではないかと感じています。
大学医学部についても何もやっていないわけではなく、先輩医師を呼んで講演を行ったり、女子医学生向けに今後のキャリアを考えるワークショップを開いたりしていますが、まだまだ不十分と言わざるをえません。
医師が自分らしい“キャリア”を自ら築くためには、医学生の早いうちからキャリア教育や将来についての情報交換ができる場の提供を行い、また若手医師についても、気軽にキャリア相談ができるような窓口を設置するなどの対策が必要であると思います。
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