2診療科選択で迷うようになった
少し前に『選択の科学』という本が話題になりましたよね。コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授が提唱した、“選択”についての考え方が書かれた本でしたが、そこでは
人間はあまりに選択肢が多いと逆に「選択」ができなくなる
という衝撃的な内容が書かれていました。
多くの医学生は自分の選択したい科目を、医学部卒業までにはある程度イメージしており、その適性を研修中に自ら判断することになるのですが、自分が進むべき診療科の選択肢が多すぎることで、まさに「選択」を難しくさせているのです。
医師は1年目からの初期研修で、いくつかの診療科を回るローテート研修というものを受けます。初期臨床研修開始時はすべて決められたガチガチのプログラムでしたが、現在は必修科目(内科・救急・地域医療)+選択科目(麻酔科、産婦人科、小児科、外科、精神科など)を病院や医師自身の希望に応じて、柔軟に設定することができるようになりました。柔軟性は出ましたが、そのプログラム中に自分が興味のある多くの診療科を回ることで、
「あれっ、この診療科、自分に向いているかも?」とか
「自分で行きたいと思っていた診療科が意外に合わない」
なんてことが起こるのです。内科はどの病院の研修も在籍期間が長く、それなりの適性は測れると思いますが、そのほかの診療科は1~2カ月のところも多く、そのような短い期間で自分の適性や興味を測らなければならないのです。(現在のところ日本の医師は自分が進む診療科を自由選択できます)
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