多くの人から尊敬とあこがれのまなざしで見られる弁護士。彼らの胸元に鎮座する金メッキが剥げ落ちたいぶし銀の弁護士バッジは、まさにその象徴だ。
だが、彼らのキャリアパスについてはあまり知られていない。今や弁護士と一口に、括れぬほど、彼らの活動内容や収入などのキャリアパスはマチマチだ。もはや同じ弁護士でも“別業種”といってよいほどに。そのうえ、細分化されたコミュニティは閉鎖的で、どのような活動をしているか、一般からは見えにくい。
“ブル弁”“ノキ弁”“イソ弁”などの言葉があるように、弁護士業界は多士済々。この連載では「弁護士という民族」に迫る。第1回目は弁護士業界内でも高い人気を誇る「ブル弁」の生態を調べた。
一口に弁護士と言っても、その属性は実にさまざまだ。普段、手掛けている業務で言えば、大企業相手にM&Aや国際商取引、特許訴訟などで高額の報酬を受け取っている弁護士、いわゆる「ブル弁」(ブルジョワ弁護士の略)もいれば、中小企業が日常的に直面する法律問題の対応をしたり、あるいは個人相手に離婚や借金の解決などに当たっている弁護士、いわゆる「マチ弁」もいる。
日本で活動する弁護士の人数は約3万2000人(出典:弁護士白書2012年版)。このうち、100人超の大規模事務所に所属している弁護士は全体の6%強しかいない。50人超の事務所所属の弁護士を足しても約7.5%。

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(出典:弁護士白書2012年版)
(出典:弁護士白書2012年版)
一方、5人以下の事務所に所属する弁護士は全体の6割を超えている。特に1人事務所の弁護士は全体の4分の1を占める。これでもこの10年で大きく後退していて、10年前は実に45%が1人事務所だった。
大事務所は東京、大阪に集中しているので、地方はまだまだ1人事務所が主流で、大都市圏と地方とでは、弁護士を取り巻く環境も、弁護士自身の属性の違いも大きい。
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