上位事務所の所属弁護士の人数は下表のとおり。所属人数には“外国法事務弁護士”も含めてある。日本の司法試験に合格し、日本で司法修習を受けて弁護士登録に到った日本法の弁護士だけでなく、海外で法曹資格を持つ弁護士も一定の手続を踏めば、日本で外国法に関する助言業務など法律行為を行うことができる。これを外国法事務弁護士と呼び、現在約360人が登録している。米国人や中国人など外国人が圧倒的に多いが、日本人も約40人いる。
5番手以降には、海外のローファーム名そのものの事務所や、海外のローファームの名と国内事務所の名を羅列したような、異様に長い事務所名がぞろぞろ出てくるが、これは外資系事務所との共同事業形態にしているためだ。外資系の法律事務所が日本国内で活動するには、日本の法曹資格を持った弁護士の事務所と共同事業の形をとらなければならない。
ブティック系事務所もまたブル弁の代表格である。主に大事務所から精鋭数名で独立して設立しているケースが多いので、膨大な作業を伴う業務は請け負わない。入居しているビルも普通のビルだし、事務所の内装も地味だが、少数の精鋭での事務所経営なので、パフォーマンスは極めて高い。
日経ビジネスが毎年実施しているビジネス弁護士人気ランキング上位の常連・中村直人弁護士の事務所や、総会屋対策で有名になった久保利英明弁護士の事務所などは、ブティック系の代表格だ。
ヴェールに包まれたブル弁の“稼ぎ”
それではブル弁は一体どのくらいの稼ぎがあるのかというと、これはまったくヴェールに包まれていると言っていい。どこそこ事務所の誰それ先生に頼むと1ディール何億円、などという話はすぐうわさになる。請求された企業の法務担当者が、ほかの事務所の弁護士や情報交流がある他社の法務担当者にしゃべるからだ。
だから、「誰それ先生は年間に10億円は稼ぐ」「あの先生は今年はあの訴訟が決着したから、成功報酬で30億円入ったはず」などといううわさは、真実かどうかもまったく不明なまま瞬く間に広がる。
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