おカネのことって、ひと昔前の日本人的感覚だとなんとなく聞きづらかったりするのですが、たとえ数百円でもそこは遠慮なくズバッと聞きます。契約社会ですからね。さすがです。店員さん、うろたえることもなく
と、こちらもスラスラ説明していました。
アメリカ人たちも「いらない」と騒ぐこともなく、納得した様子。なんだ、英語が上手に話せる店員さんもいるではないですか。このアメリカ人たちもすんなり納得して、潔い。美しい光景です。昔、「絶対に払わないし、絶対に食わない」と最後まで言い張った外国人の同僚がいて、面倒なので筆者がI’ll eat it and pay, okay?(オレが食って払う、それで文句ないだろ?)と言ったこともあったのですが……。
料理の説明はむずかしい!
「これでひと安心」と横で安堵しながら、自分の飲み物を注文する気満々の筆者。気分は麦焼酎! Come on, Tenin-san!(店員さん、早く!)
ところが、すぐにアメリカ人のひとりがお通しをのぞき込んで店員に質問します。What’s this dish?(これ、何の料理?)。そりゃあ、そうですよね。知らないものを口にするのは怖いですもんね。確認したくなりますよ。
筆者の注文は、もうしばらく「おあずけ」の様子です。すると店員さん、少し考えながら
と答えます。うーん、惜しい。英語は間違ってないけれど、ぜんぜん料理の説明になってない! このアメリカ人たち、きっと「ぬた」を見たのは生まれて初めて。とにかく、材料が何なのかだけでも言ってあげないと。そんな説明では口には運んでくれないですよ。
心の中で「とりあえず、入っているものを言ってしまえばいい! がんばれ! がんばれ!」と応援する筆者。ちらっと見るとイカの入ったネギぬたでした。「イカとネギ! イカとネギ! Squid and scallions!(イカとネギ!)Green onions(ネギ)でもOK!」と念じてみました(伝わるはずもないのですが……)。
でも、残念ながらその店員さん、イカとネギを英語で何と言うのか知らないみたいです。そして沈黙……。
筆者は聞き耳を立てながらも、隣のテーブルには視線を送らないようにしましたが、嫌な予感。すると予想どおり、アメリカ人のひとりがこちらに向かって話しかけてきました。
Excuse me! Can you help us again? (すみません! またちょっといいですか)
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