一流の経営者は「将来」から「今」を逆算できる

経営の神様が問わず語りに語ったこと

経営を進めていく際に幸之助が考えていたこととは(写真:東洋経済写真部)
江口克彦氏の『経営秘伝――ある経営者から聞いた言葉』。松下電器産業(現パナソニック)の創業者である松下幸之助の語り口そのままに軽妙な大阪弁で経営の奥義について語った著書で、1992年の刊行後、20万部を売り上げるヒットになった。本連載は、この『経営秘伝』に加筆をしたもの。「経営の神様」が問わず語りに語るキーワードは、多くのビジネスパーソンにとって参考になるに違いない。

 

植木屋さんたちが草を抜いておるやろ。雑草やな。枝も切っておる。こういう姿を見ても、人間は王者と言えるわね。人間が自分の判断で決めておるわけや。しかし、それだけに人間は、その自覚と責任の大きさを強く考えんといかんね。雑草1本抜くにしても、枝1本切るにしても、王者として、その行為が正しいのかどうか、許されるかどうか考える必要があるな。

必要以上に殺したらいかん

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殺生という言葉があるけど、殺生したらあかんというのは、なんも殺したらあかんということではない。そんなこというたら、なにも生きていくことは出来んがな。そうではなくて、必要以上に殺したらいかん、範囲を超えて殺したらいかん、そういうことや。必要な範囲を超えることが殺生やと。面白半分に殺す、必要でないのに殺す、興味本位で、無意味に殺すことが、殺生ということやな。

人間にとって必要な範囲において、万物それぞれが持っておる特質を活用するということは、殺生ではない。むしろそのものを生かすということになると。だから、まだ使えるのに使わん、捨てるというようなことは、殺生ということやね。もったいないという言葉があるけれど、殺生という意味や。まあ、人間に対する見方と殺生についての考え方が従来どおりだと、これから自然や地球は壊され、人間同士の殺し合いは無くならんということやな。

植木屋さんたちも、なかなか熱心に仕事、続けてるなあ。何時までやるんかな。ほんま、根気のいる仕事や。ようやってくれているわ。

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