松下幸之助「経営者は目に見えぬものを見よ」 経営の神様が語る「成功のために大事なこと」

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松下幸之助は経営を進める際に「目に見える要因」と、「目に見えない要因」の両方を重要視していました
江口克彦氏の『経営秘伝――ある経営者から聞いた言葉』。松下電器産業(現パナソニック)の創業者である松下幸之助の語り口そのままに軽妙な大阪弁で経営の奥義について語った著書で、1992年の刊行後、20万部を売り上げるヒットになった。本連載は、この『経営秘伝』に加筆をしたもの。「経営の神様」が問わず語りに語るキーワードは、多くのビジネスパーソンにとって参考になるに違いない。

 

うん、かまへんよ、別に用事はない。一日、きみと話ししようと思っておるんや。

それにしても、ほんまにええ庭やな。ゆっくりした気分になれるな。これからだんだん暑くなるけど、いまの頃がちょうどいい。少し風もあるしね。植木屋さんたちも、熱心にやってくれてるなあ。

京都には、いい庭がたくさんあるけど、ここもそのひとつやな。特に道に柵をつけておらん。公開しておらんからね、そんなことをする必要がないからやけど、そのぶん、ほかの有名なところより、庭本来の姿になっておるな。秋の頃はお月さんが、ちょうどあの東山の上から出てきて、庭のその池に映るんやけど、まことに風情があって、面白いな。秋になったらまたお月さん、見に来ようか。

経営を進める時に考えなくてはならないこと

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経営を進める時に、考えておかんといかんことはな、目に見える要因と、目に見えない要因を、両方とも考えんといかんということやね。

経営を考える時に、一般的に、まず考えるのは、目に見えることやな。大抵の経営者や責任者の人がそうや。目に見える要因というのは、たとえば商品とか技術とか、あるいは工場とかベルトコンベヤーとか、そういうもんやな。組織とか体制なんかもそうやな。とにかくそういうものは目に見える。そうそう、数字もそうやな。

経営をよくしていこう、経営を改善していこうとすると、たいがいは、この目に見える要因に心奪われる。それで組織を変えよう、体制を変えよう、新しい技術によって新製品を開発しようとこう考え、社内を動かし、社員に努力するように指示を与える。

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