松下幸之助「経営で成功する秘訣は素直さだ」 経営の神様が語った成功のための思考法

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幸之助の成功のための思考法とは(撮影:高橋孫一郎)
江口克彦氏の『経営秘伝――ある経営者から聞いた言葉』。松下電器産業(現パナソニック)の創業者である松下幸之助の語り口そのままに軽妙な大阪弁で経営の奥義について語った著書で、1992年の刊行後、20万部を売り上げるヒットになった。本連載は、この『経営秘伝』に加筆をしたもの。「経営の神様」が問わず語りに語るキーワードは、多くのビジネスパーソンにとって参考になるに違いない。

自然の理法に従っていればうまくいく

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実際のところ、前にも言ったけど、自然の理法は、いっさいのものを生成発展させる力をもっておるんや。だから、素直な心になって自然の理法に従っておれば、うまくいく、成功するようになっておる。

ところが、人間は、なかなかそうはいかんな。自分の感情に捉われたり、立場に捉われたり、地位や名誉に捉われたりする。一人ひとりの捉われが、喧嘩になり、争いになり、つまるところは戦争になる。もともと人間には、進歩発展する本質が与えられている。言葉を変えて言えば、平和、繁栄、幸福を実現する力が与えられておるんや。自然の理法に従って事を進めておったら、それで、ええわけやね。

そういうことは、人間の長い歴史の過程を見たらわかるやないか。原始の昔から考えて、まあ、理屈は別として、発展の姿やと言えるんやないかな、素直に考えて。それが、うまくいかんというのは捉われているからやと。素直やないからやと。そうであれば、素直でないといかん。素直な心こそが、個人の幸せ、人間の幸せに、また人類に繁栄と平和をもたらすものであると、わしはそう考えるんや。

だから、わしの言う、素直な心というのは、他人の言うことに、なんでもハイハイと答えるということを言っておるんではない。それは、本当の素直ではないと。本当の素直は、自然の理法に対して、本来の正しさに対して、素直であると。そういうことやな。

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