成功を続ける人は、「祝う」ことを軽視しない 43人の世界記録保持者を育てた名将の心得
やり遂げた瞬間、目標の実現を目指して努力してきた数カ月、数年が終わった瞬間。あるいは仕上げの瞬間――。それらが訪れたとき、あなたはいったい何をしますか?
たとえばアメリカのモーターレースで優勝したドライバーは、チェッカーフラッグを受けてウィナーズサークルに入り、妙な伝統ですが、ミルクをごくごくと飲みます。陸軍士官学校では、1940年代からずっと、卒業式の後で士官候補生たちがいっせいに帽子を投げ上げる伝統が続いています。日本では年末の大みそかに夜遅くまで起きて、年越し番組を見ながら1年を過ごしたことを祝います。
競泳アメリカ代表チームを率いるコーチであり、五輪通算22個の金メダルを獲得した「怪物」マイケル・フェルプスをはじめ、43人の世界記録保持者を育て上げた名将ボブ・ボウマン氏が、著書『君もチャンピオンになれる』の中で「めざす目標は人それぞれなので、それを祝う形もそれぞれにふさわしいものでなければならない」と、目標達成のプロセスにおいて「祝う」ことの重要性を語っています。
「怪物」が歴史的な偉業を成し遂げた日
2008年8月17日、日曜日の北京。4×100mメドレーリレーの決勝で、会場にいる1万4000人の観客と世界中の家庭やバーやレストランでテレビを見ている人たちは、マイケル・フェルプスが歴史を作る瞬間を待っていました。
マイケルは、世界記録のタイムを出すという目標を持って北京に来ました。その目標をかなえるということは、過去最多の8個の金メダル獲得を実現するポジションにつくということでした。
マイケルは最初の7種目のうちの6種目で世界記録、残りの1種目でオリンピック記録を樹立していました。そして8種目目のメドレーリレー、アメリカの最終泳者がタッチして勝利を決め、もう1つの世界記録を作った瞬間、マイケルはチームメートとがっしり抱き合い、ハイタッチをして、自分の喜びと満足感を世界に向けて見せました。彼が自分の偉業をかみしめている間、会場には騒音としか呼べないような大歓声が鳴り響いていました。
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