松下幸之助は「ひとつの夢を持つこと」を説いた 問わず語りに語った経営、そして人生

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「経営の神様」の問わず語りは、多くのビジネスパーソンにとって参考になるに違いない
江口克彦氏の過去のベストセラーのひとつに『経営秘伝――ある経営者から聞いた言葉』がある。松下幸之助の語り口そのままに軽妙な大阪弁で経営について語った著書で、1992年の刊行後、20万部を売り上げた人気経営書だ。今回、この経営秘伝を復刻し、新たな書き下ろしとして「松翁、問わず語り」を開始する。「経営の神様」の問わず語りは、多くのビジネスパーソンにとって参考になるに違いない。

 

きみなあ、この庭、随分ときれいやなあ。

この縁側から見回しても向こう側に東山が見えるし、それを背景にこの庭があるから、庭が広く見えるわな。

ここを20年ほど前に買ったときには、あの左側の杉木立のところな、あそこには小さなお茶室があって、そのまわりに灌木が生えておった。しかし、それよりも白砂を撒いたほうがええのやないかと考えて、お茶室を壊して灌木を払い、白砂を入れたんやけど、なかなかええなあ。隅に根源さんの社を置いたからな。いわばその神苑のような感じになっておるわね。お茶室は新しく奥に小さいのを建て直したけど、あのお茶室もわびさびが出てきてよくなったな。庭師さんがいま入って手を入れてくれているけど、庭の手入れというのはコツコツ毎日やっておらんといかん。

毎日、コツコツ続ける努力なくして成功はない

本連載は今回からの新連載です

まあ、なんでも同じやけどね。成功したいと思う。けど、成功は小さい努力の積み重ねやからね。毎日、コツコツ続ける努力なくして成功はないよ。

あ、あそこの枝。きみ、わかるか。いちばん右のスッと伸びておる枝があるやろ、あれを少し切ってもらおうと思うけど、あそこにいる植木屋さんに言ってくれんか。

そうそう、もう少し切ってくれるか。うん、良くなったな。そう思わんか。

ひとつの枝を切るということは、かわいそうだとも言えるけどな。しかし、全体のためには、そういうことも考えんといかん時もあるな。会社でも全体としてどうしても人を切らんといかん場合も出てくる。そういう時には気の毒やけど、切らんといかんわけや。それをやらんと組織全体がどうにもならなくなってしまうことがある。泣いて馬謖を切る、という言葉があるけど、実際にそういうことが言えるな。

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