松下幸之助は「人間は王者」と繰り返し説いた 宇宙のなかで人間が一番偉大である

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人間を偉大だと考えることと、小さな存在だと考えることと、どちらが幸福な結末をもたらすであろうか

「人間は偉大な存在やな。いわばこの宇宙においては王者やな。こう言うと、それは不遜や、傲慢やと、そう言う人も多いと思うけど、しかし、わしは理屈はようわからんけど、現実の姿を見れば、明らかにそういうことが言えるんと違うか。この宇宙のなかで人間が一番偉大であると」

一人ひとりが自覚を持てば

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人間を殺せば罪になるが、犬を交通事故でひいたとしても、罪になるわけではない。人間のために木を植え、その木を伐っても別に罰せられないのはなぜか。犬や猫、木の立場からすれば、それはけしからんということになる。ならば犬や猫から罰せられるかといえば、そういうことはない。

人間は牛を食べたり、ぶたを食べたりする。生命が生命を食べて生命が存続する。その順ぐりが人間のところでぷつりと途絶えるのである。どうしてそういうことが許されているのか。

人間がこの宇宙のなかで王者として存在し、君臨しているからではないのか。いわばこの宇宙に存在するすべてのものは、人間の平和、幸福、繁栄を実現するために存在していると考えられないか。

「理屈ではなく、静かに実際の現象を、素直に見て考えれば、そういう結論になるやろ。そうやない、人間もほかの存在と同じやと。ほかの動物や植物と変わりはないと、そう考えておる人が多いと思う。けど、そういうことなら人間は他の動物を殺しても罪にならんのやから、人間を殺してもけしからんということにはならんがな。人と人が殺しあってもいいということになるわな。そやろ。しかし、実際はそうではないわな。それはちゃんと人間がいちばん偉大な存在だということを認識しておるわけや」

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