第1回 「瞑想」と「深い呼吸」が折れない心をつくる
第2回 勝ち続ける人が実践するたった「3秒」の習慣
第3回 予測不能「ゾンビ襲来」から自分の身を守れ
何かを成し遂げるには、一歩一歩進むしかない
私が書いた本でも紹介した話だ。自分がまだ若かった頃、当時の上司に「幸せに生きたいのであれば、森を作れ」と言われたことがある。自分は自信に満ちあふれ、怖いものなどなかった。たいていのことはうまくいき、自分の道を究めることに燃えていた時期だ。
今考えたら、当時の自分は、薄っぺらな自信をまとった、非常に青臭い、エゴだらけの若造にすぎなかったと思う。世界の中心はしょせん自分で、自分と人、社会とのつながりの本当の意味を、自分の中には落とし込めていなかったように思う。
しかし、ふと投げかけられた「森を作れ」という言葉の深さに、私は衝撃を受けた。その真意が「ズドン」と心に沈み、生き方が変わった。以降「森をつくる」という言葉は、人生で節目に立つ時、難しい選択を迫られるような時、かならず心の「伴走車」として私を支えてくれている。
人間の生み出したテクノロジーは偉大だ。それでも今すぐ雪を降らせることも、明日突然、目の前にある「さら地」をいきなり広大な森を変えることも、私たちにはできない。人が何かを成し遂げたいのなら、一歩一歩いくしかない。そう、修練のない人生など、存在しないのだ。
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