究極の幸せを手にしたいのなら「森」を作れ 「自分が残せるもの」と向き合ってほしい

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森を作るには土地を整え、苗木を植えて、丁寧に木々を育てることから始める必要がある。しかも、木々を大木にまで育てるには膨大な時間も必要だ。その間ずっと何事もなく、天候が安定しているというようなこともありえない。年によっては異常気象に見舞われることもある。山火事などが起これば、せっかく植えた木々が消失してしまうこともあるだろう。あなたはそのたびに木々を守るため、奔走しなければならないかもしれない。

さまざまな困難を経て何年もかかって、やがて森は完成する。そんな風にできた森は、気づけば「あなたの森」という存在以上に成長を遂げている――そこに広がるのは生き物たちが住みつき、人々が集う「みんなの森」だ。森は、あなたという存在がこの世から去ってもなお生き続ける。年月が流れたとえ人々が皆、あなたを忘れてしまっても、あなたの森は、「あなたが生きた証」としてそこに残るのだ。

世代継承を考えれば、生きることの「意味」が変わる

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「ジェネラティビティ(Generativity)」という言葉を、あなたはご存じだろうか。この言葉はドイツ出身の精神分析学者、エリクソンが作った造語で、「未来に続く価値を次世代に継承させること」というような意味を持っている。先の森の話は、まさに「ジェネラティビティ」を象徴するものと言える。この物語は私たちが何のために生まれ、何のために生き、何のために苦労を背負うのか、そして人生における真の幸せとは何かを私たちに物語る。

私は国防総省、通称「ペンタゴン」に従事している。傘下に軍を抱える、アメリカ国防の要だ。紛争や戦争にはさまざまな矛盾が存在する。ペンタゴン自体の存在意義にも賛否両論があるのも知っている。しかし、それでも自分はそこにいることを自ら選んでいる。

いわば「非日常」が「日常」というような特殊な組織に身を置くと、私たちは日々「命」が有限であることを思い知らされることが多い。自分はもちろん、人の命にかかわる厳しい任務に「心が折れそうになる」ということも、しょっちゅうだ。そしてそんなシビアな現実を目の前にして過ごしていると、「今日も誰かがどこかで泣いている」という事実を、イヤでも認識するようになる。

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