世の中には「絶対」ということなど、ありえないといってよい。想像もしなかったような事件や出来事は、日常茶飯事起こるものだ。そう考えるなら、宇宙人、天使、幽霊など、あらゆる空想の産物ですら「ひょっとしたら」存在するかもしれない。実はその証拠とも言うべき、驚くべき訓練がアメリカ国防総省に存在する。それは大真面目に「ゾンビ襲来」に備えた非常事態トレーニングだ。2016年、あなたはゾンビの攻撃から身を守れるか。どんな「想定外」にも対応できる「自分」の鍛え方を、アメリカ国防総省現役官僚、『ペンタゴン式 ハードワークでも折れない心のつくり方』著者、カイゾン・コーテが解説する。
第1回 「瞑想」と「深い呼吸」が折れない心をつくる
第2回 勝ち続ける人が実践するたった「3秒」の習慣
ニューズウィークも警告? 『ゾンビ』の脅威
2015年12月末、「ゾンビ襲来に備えるために、資金が必要」という衝撃的な記事が、ニューズウィークの紙面を飾った。もともと、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルで組まれた特集をもとに再編集されたものだが、血まみれのゾンビの写真も不気味に掲載され、クリスマス時期のちょっとした話題として、各メディアが一斉にそれを拡散し、アメリカ国内ではかなり話題となった。
一見「ドキリ」とするニュースだが、ここで言うゾンビとは、エボラ出血熱などに代表される、予測不可能な疾病を指しており、感染の危険がある耐性菌への危機意識を促す、極めてまじめな内容だ。そもそも、アメリカ国内において「ゾンビ」は、言わば「予測不可能な脅威」の代名詞としてたびたび使われる。かくいうわれわれ国防総省でも、本格的なゾンビ襲来を想定した非常事態訓練を行ったことが実際にあるのだ。
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