人間が一番偉大な存在であると自覚すること
とくに人間は偉大な存在やな。いわば、この宇宙においては王者や。こう言うと、それは不遜やと、傲慢やと。そういう人も多いと思うけど、しかし、わしは理屈はようわからんけどね、現実の姿を見れば、明らかに、そういうことが言えるんと違うか。この宇宙のなかで、人間が一番偉大な存在であり、その立場にあると。
そやろ。実際、きみ、人間が人間を殺したりすると罪になり、場合によっては死刑になるけど、犬が人間に殺されたり、猫が交通事故に遭ったとしても、なんも罪にならんのはなぜなのか。人間のために木を植え、木を伐っても別に罰せられんのはなぜか。犬や猫、木の立場からすれば、それはけしからんということになる。それでは犬や猫から、人間は罰せられるかというと、そういうことは、ないやろ。
人間は牛を食べたり、豚を食べたりする。どうしてそういうことが許されておるのかというと、人間がこの宇宙のなかで王者として存在し、君臨しとるからや。いわば、この宇宙に存在するすべてのものは、人間の平和、幸福、繁栄のために、そしてそれらを実現するために存在しておると考えられないか、ということやね。
わしが言うておるのは、たびたび言うけど、理屈やない。静かに実際の現象を素直に見て考えれば、そういう結論になるやろ。
そうやない。人間もほかの存在と同じやと。ほかの動物と変わりはないと。植物と変わりはないと。そういうことを言う人もいるかも知れんというより、そういうふうに考えておる人が多いと思う。けど、そういうことなら、人間は他の動物を殺しても罪にならんのやから、人間を殺してもけしからんということにはならんのやないかな。
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