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鬼滅とのコラボで好調の伊藤ハム・・・元・日本KFCのプロマーケターを抜擢した理由とは? さらなる販促強化に乗り出す背景には“ある難題”があった

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伊藤ハム米久HDの青木純一氏(中央右)とヘッドハントされたマーケティング担当の常務執行役員中嶋祐子氏(中央左)には、ある難題が突き付けられている(記者撮影)

“鬼滅旋風”を起爆剤に再び成長軌道に乗れるのか。

伊藤ハム米久ホールディングス(HD)傘下の伊藤ハムは、2025年6月から看板商品である「グランドアルトバイエルン」と、アニメ「鬼滅の刃」のコラボを実施。8月末までの期間限定パッケージで商品を展開し、キャラクターをイメージした新フレーバー3品を投入したほか、オリジナルグッズなどが当たる懸賞を実施したりしている。

ふたを開けてみれば、鬼滅コラボは効果てきめんだった。伊藤ハムによれば、コラボ実施後の6~7月は、100人当たり購入金額が前年同月比で2割超の増加となった。SNSでは「全種類買ってしまった」「鬼滅コラボ食べ比べした」などの声があがっており、新規購入者の獲得にもつながったという。

青木純一マーケティング部長は、「ロングセラー商品であるがゆえに、新しい顧客を獲得して維持する点に課題があった。コラボで購入者1人当たりの販売数量が増えているうえに、これまで課題だった30~40代の購入者を増やせた。大きな成果だ」と胸を張る。

「単発の花火では終わらせない」

鬼滅コラボをきっかけに増えた新規層をつかむべく、伊藤ハムは攻勢を強める。コラボで好評だった2つのフレーバー「旨辛味」と「肉肉味」を今年秋以降もレギュラー品として継続販売。また、コラボ終了直前の8月26日から9月26日までに出荷する「グランドアルトバイエルン」の商品を10%増量するキャンペーンを始める。

青木氏は、「従来ならアニメコラボなど考えなかった。商品を手に取ってもらうことに力点を置いたキャンペーンに対する意識がこれまでは弱かった。今回のコラボを単発の花火で終わらせるつもりはない。増量キャンペーンを通じて、継続購入してくれるユーザーを育てる」と意気込む。

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