日ハムVS.プリマ、肉薄する「ソーセージ頂上決戦」 ブランドの拡大か、それとも価格重視か?
今年、40周年を迎える「シャウエッセン」が転換点に差し掛かっている。
食肉首位の日本ハムにとってシャウエッセンは看板商品だ。ウインナーソーセージカテゴリーで30年以上にわたりシェアトップに君臨しており、その認知度は群を抜いている。
ところが、足元では王者シャウエッセンが市場シェアを落としているようだ。シェアを奪っているのがプリマハムの看板商品「香薫(こうくん)あらびきポーク」(以下香薫)だ。
プリマによると、香薫は2023年度の販売個数でウインナーソーセージカテゴリーの1位(出典:KSP‐POSデータ)。また、ハム・ソーセージ全体についても2024年の複数の月でシェア1位を記録(出典:インテージSCIデータ)しているという。
ブランド全体で伸ばすシャウエッセン
香薫が販売数を伸ばしている最大の要因は価格だ。調査会社のTrue Dataによれば、2024年10~12月時点での平均価格(税抜)は「シャウエッセン」(117g×2袋)が362円だったのに対し、「香薫」(90g×2袋)は269円と3割ほど安かった。
相次ぐ食品の値上げで消費者の節約志向は高まっている。「シャウエッセンよりも圧倒的に価格が安い香薫は販売を伸ばし、シェアが拡大している」(競合他社社員)というわけだ。
True Dataによると、2024年10~12月のシェアはシャウエッセンが首位だった。一方、複数の業界関係者は「データによっては、シャウエッセンを抜いて香薫がトップになる月が増えてきている」と口をそろえる。日ハム、プリマともにシェア争奪戦は肉薄しているようだ。
日ハムのブランド戦略室長兼マーケティング室長の長田昌之氏は、シャウエッセンのシェア低下を認めつつも、「大袋商品やホットチリ味の商品など、ブランド全体でのシェアは伸び続けている」と強調する。
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