日ハムVS.プリマ、肉薄する「ソーセージ頂上決戦」 ブランドの拡大か、それとも価格重視か?
日ハムはシャウエッセンのブランド力を生かした拡販を進めている。狙うのは20~30代の若い層だ。シャウエッセンの購買層は40代以上が中心で、顧客の高齢化が進んでいるためだ。日ハムの高崎賢司グループ戦略推進事業部長は「おつまみや鍋料理など、シャウエッセンの利用シーンを拡大していく」と語る。
2024年10月に期間限定で発売した「シャウエッセン 夜味」は、夕食やおつまみなど、新たなシーンを狙った商品だった。シャウエッセンは主に朝食や昼食で利用されており、それが全体の約80%を占めていた。
スパイスの比率を見直し、しっかりとした味付けの夜味はSNSなどで話題を呼び、若年層へのアプローチにつながったという。
日ハムは2025年にも複数のシャウエッセン商品のリニューアルや、新商品を計画している。「チーズ入りなど、嗜好性の高い商品なら、価格がある程度高くても支持を得られるのではないか」(長田氏)。
また、同社は長期戦略として「2030年にシャウエッセン群で売上高1000億円」(2024年3月期は760億円)という目標を掲げる。顧客起点の商品開発を進め、利用シーンを一段と広げていく考えだ。
プリマは価格も重視、背徳感の新商品で攻める
一方、プリマは値ごろ感のある商品展開で攻勢をかける。同社の商品企画部長、岡島周市氏は「ハム・ソーセージ商品は販売価格が400円を超えると売れ行きが悪くなる印象だ」と話す。
プリマハムは今年3月に「ギルティソーセージ ガーリックバターチーズ」(税込398円)を発売する。20~40代の女性をターゲットに、ガーリックやバター、チーズを使った背徳感ある味わいをアピールしていく構えだ。「SNSなどで発信し、健康や出費を気にせず背徳感を楽しむニーズを開拓する」(岡島氏)という。

畜肉ソーセージはほかの商材よりもメーカー商品の人気が高いカテゴリーだ。2024年のプライベートブランド(PB)比率は18.6%(インテージSCIデータ)と、日配品の中では低い。
インテージの木地利光・市場アナリストは「物価高でPBシフトが進む中、ソーセージは相対的にブランド力が強く、メーカー商品を購入している消費者が一定数いる」と分析する。大手メーカーもまだ、ブランドを広げる余地がありそうだ。
節約志向の逆風が吹き荒れる中、新たな商品群で消費者の胃袋をつかめるのか。ウインナー・ソーセージのシェア争いは今後も過熱しそうだ。
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