鬼滅とのコラボで好調の伊藤ハム・・・元・日本KFCのプロマーケターを抜擢した理由とは? さらなる販促強化に乗り出す背景には“ある難題”があった
相次ぐキャンぺーンの背景にあるのが、止まらない販売数量の減少だ。伊藤ハム米久HDのハム・ソーセージの販売重量は、2021年3月期以降、5期連続で前年度実績を下回っている。青木氏は「これまでは値上げで販売数量の減少を補ってきたが、だいぶ限界にきている」と吐露する。
大型工場の稼働を控えている伊藤ハム米久HDにとって、販売数量の拡大は至上命題だ。同社は、約200億円を投じて静岡県三島市の食肉加工工場を建て替えており、2026年度後半の稼働を予定している。ソーセージの自動化ライン導入などの省人化を進めることで、生産能力は年1.9万トンに拡大する計画だ。
2025年5月の決算説明会の場で、伊藤ハム米久HDの伊藤功一取締役常務執行役員は、「今2026年3月期からは収益率の改善と数量増加の両輪を目指したい」と語っている。新工場稼働前に、ある程度の販売数量を確保しなければ、せっかく増強した生産能力もダブついてしまい収益率を落としかねない。
日本KFC、V字回復の立役者を抜擢
そこで伊藤ハム米久HDが進めているのがマーケティングの強化だ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら