松下幸之助は人口急減への対策を考えていた

経営の神様が考えた200年計画とは?

人口減、東京への一極集中と地方の過疎化に、松下幸之助が考えたこととは?(写真:東洋経済写真部)
江口克彦氏の『経営秘伝――ある経営者から聞いた言葉』。松下電器産業(現パナソニック)の創業者である松下幸之助の語り口そのままに軽妙な大阪弁で経営の奥義について語った著書で、1992年の刊行後、20万部を売り上げるヒットになった。本連載は、この『経営秘伝』に加筆をしたもの。「経営の神様」が問わず語りに語るキーワードは、多くのビジネスパーソンにとって参考になるに違いない。

これから人口がどんどん減っていく

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それから、土地のことやけどね。数年を経ずして大きな問題になると思うわ。
ひとつはね、日本はこれから人口がどんどん減っていくやろ。まもなく大勢の国民が都心に移り住む、そして、マンションに住みたいと。一極集中、都心集中ということになるな。そうすると、人の集まるところと、人がいなくなるところが出てくる。日本全国が、まだら状態になる。日本全体を、わが国の国土をどうするかやね。それに対しての対策は、いまから考えておかんといかんな。

それと、道路は、いま、渋滞でどうにもならんな。高速道路と言うても、実際のところは高速ではないわな。これからも都心では、そういう状態が続くと。まあ、道路が狭いからや。それは、都心に土地がないから、狭い道路しかできんのやな。土地があれば、道路ももっと余裕のあるものがつくれるけどな。そういう意味でも、都会を分散させるとか、47都道府県をもっとまとめて、そうや、廃県置州をして、それぞれに繁栄する拠点をつくる、まあ、今は東京だけやけど、東京のような繁栄拠点を全国にいくつもつくると。そういうことをせんといかんな。

食糧問題も考えておかんといかんやろうな。いまは国際化の時代やと。お互いに世界の国々と密接な関係をもって生存し合っているのやから、もう、食糧は外国に任せたらいいと言う人が多いわな。もう自分の国だけで食糧をすべて賄うという時代ではないと。わしもそのとおりやと思うけど、しかし、治にいて乱を忘れずという言葉があるけどな、やはり、いざというときも考えておかんといかんわけや。ところが現状ではそうではないと。しかし、いざとなったら国民が飢餓に瀕しないだけの食糧をつくれないと。人口に見合った食糧を供給することが可能にしておかんといかん。自給自足ということや。まあ、もう農業に従事する人たちがどんどん減っていくけど、それに代わって、アメリカのような大農場が出来るような工夫をしとかんとね。

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