「人口減」は、日本が再成長するための武器だ

社会的構造改革を進める条件はそろっている

少子高齢化は実はチャンス!? その理由を聞く(撮影:風間仁一郎)
国際比較統計を基に日本にとってのベストプラクティス(最良の政策案)を考えると、少子高齢化は実はチャンスだという。『武器としての人口減社会』を書いた、経済協力開発機構(OECD)東京センター長の村上由美子氏に理由を聞いた。

高齢化がポジティブに作用する社会

──7月の失業率が発表され、3%でした。

もはや完全雇用で企業が人を雇えないで困っている。先進国でそんな国は日本しかない。構造的に失業率が高い国はたくさんあるが、構造的にここまで低い国はないし、おまけにここ2、3年、拍車がかかっている。これを、国際的に競争優位性を持っている側面だと認識し、国際競争力にしっかり結び付けるのが大事だ。労働人口の減少が激しく、高齢化も進んでいるのに、それがポジティブに作用する社会は、世界を見渡しても日本以外にない。

──働き方改革の追い風になる?

痛みを伴う構造改革なので抵抗はあるだろう。でも改革しないと日本は前に進めない。優秀な人材がいても、それを活用しない社会になってきている。それを破らないといけない。これほど雇用の需給が逼迫している状況だけに進めやすいはずだ。

AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)を含めITを活用して産業革命を進めようとしている国は日本を含めてたくさんある。中でも日本の場合は関連失業を気にせず推進する条件が整っている。もちろんその際に、痛みがないとはいえない。労働市場に流動性がなければ仕事にあぶれる人たちも出てくる。しかし、彼らを再トレーニングして新しいビジネスに活かす基本的な条件はほかの国に比べ秀でている。つまり日本は社会的な構造改革を進める条件にも優れているのだ。

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