女性が輝かない会社は裁量と対話が足りない 先進企業「P&G」に学ぶ3つのポイント
女性活躍推進法施行後、2カ月あまりが経とうとしています。さまざまなメディアを通じて「女性が働きやすい環境であるほど男性も働きやすい」というデータや記事も多く目にします。
たとえば、山本勲氏による「上場企業における女性活躍状況と企業業績との関係」(独立行政法人経済産業研究所ディスカッションペーパーシリーズ2016年1月14日)によると、ライフイベントなどで正社員数が激減する30歳代の女性比率が高い企業ほど利益率が高くなっていることが明らかになっていますし、2011年のOECDの閣僚理事会報告でも、「女性の経済活動への参画は、生産性を高め、税・社会保障制度の支え手を増やし、多様性はイノベーションを生み、競争力を高める」と指摘しています。
現場でなかなか理解も実行も進まない「本音」
しかし、現実はそうは受け止められていないところもまだまだあります。研修の現場などで気になるのは、男性管理職が、そして場合によっては女性管理職すら、「女性には責任ある仕事を任せられない」「任せづらい」とまだ思っているフシがあるということです。やっぱり育児中の女性は勤務時間が短く、時間制約のある働き方しかできないことから「生産性が低い」、あるいは「子どもの突発的な病気などで早く帰ってしまうリスクがあるから、お客さまやチームに負担がかかる」などの「本音」を聞くことがまだまだ多くあります。
一方で、こうした「本音」を打開している企業もあります。そのうちの1社が国内でも早くから働き方の改革に取り組んでいるP&Gです。総合職における女性の割合は40%、課長級では34.4%、部長級では16.7%と女性が活躍する職場の1つに挙げられます。
そのP&Gは今年から「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容と活用、以下D&I)啓発プロジェクト」と称し、これまで長い時間をかけて蓄積してきたD&Iに関する知見、ノウハウを活用した研修プログラムを日本企業向けに提供する取り組みを始めました。
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