高い離職率が常態化している自動車販売会社も少なくない中、青森ダイハツモータースに在籍する女性営業職はこの10年間、たったの2人しか退職していません。それに加え、女性社員の出産後の復職率は過去3年100%、女性社員に占めるワーキングマザー比率も47%と、圧巻の数字です。
この「低い離職率、高い復職率」を実現するための施策として、青森ダイハツモータースは、従業員に訴求するための”青森ダイハツブランド”を、せっせと磨いてきました。
社員全員分の「仕事着」を新調
「CS(Customer Satisfaction=顧客満足)は大事だが、ES(Employee Satisfaction=社員満足)はもっと大事」と主張する松沼光男社長。そのブランド確立のために、あらゆる施策を推進しました。
まずは「投資」。ES施策のひとつとして、松沼社長は着任早々、全営業社員98人に新しいジャケットとパンツを2本ずつ貸与しました。信頼感を持てる営業パーソンに見えるよう、個々ののサイズに合ったものをセミオーダーで新調したのです。その費用は、営業社員ひとり当たり4万円超。この規模の会社にとって、決して小さい額ではありません。
「よく言われることですが、『営業は見た目が9割』。スーツ新調とともに、社章も金色のものに新しく作り変えました。ネームプレートも、色褪せしやすいカード式のものから、かっちりとしたプレートに。結果、顧客からは身だしなみのよさを褒められるようになり、社員も自社のブランドをより強く意識するようになりました」(総務人事部・川森良悦部長)
「『私は青森ダイハツの社員なんだ』という誇りを抱けるようになりました。昔はカジュアルなスタイルでしたが、今はシャキッとしたスーツで営業するようになり、周りに見られている感も増しています。それが自分にいい緊張感をもたらし、ビジネスパーソンとしての成長を後押ししてくれました」(業販営業担当・神山百合子さん)
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