松沼社長が栃木ダイハツの社長を経て青森に赴任してきたのは2013年。同社は100%ダイハツ工業出資会社のため、社長も出向者が慣例。現場出身の社長は初めてだったそうです。赴任直後、まず松沼社長が感じたのは「女性は男性よりも一歩下がって控えめに働く。意見もなかなか言わない」という青森の県民性のようなものでした。
「学歴もあり能力も高い女性なのに、これでは困るな、と。軽自動車を扱う当社の場合、顧客の6割は女性です。しかも、当社の女性社員比率は低くない。女性にもっと第一線で活躍してもらわなきゃ困りますよね」(松沼社長)
社長自ら”待ったなし”の状況を作る
業界内では「女性営業はゼロ」「出産後に営業として復帰なんて前例がない」「ましてや、女性エンジニアなんて」といった会社もザラですが、青森ダイハツモータースでは、いきいきと活躍する女性の姿が見られます。しかも「女性には無理だ」と諦められてきた営業やサービスエンジニアの職種で、なのです。いったい、どんな工夫があるのでしょう?
まず松沼社長は、厚労省の女性活躍推進プランである「ポジティブアクション」を宣言し、事務職女性を営業職に配置転換しました。女性を管理職に登用するという目標を掲げ、それを発信し続けたのです。
「女性スタッフに先頭に立ってもらうことが大事なのはもちろんですが、企業のトップがコミットすることはもっと大事。中間管理職にハラオチするまで説明すると同時に、社外にも積極的に宣言してしまうことで、”待ったなし”の状態をつくりました」(松沼社長)
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