2016年4月から施行される「女性活躍推進法」。301人以上の労働者がいる会社には、女性が活躍する状況の把握・課題分析のほか、行動計画の策定・届出、情報公表が求められる。管理職の女性登用が後れている日本企業も多く、対応に悩む担当者も少なくなさそうだ。
では、女性活用が進む会社には何か秘訣があるのだろうか。今回、小社の『CSR企業総覧』掲載データを使い女性部長に関するランキングを作成。部長という責任ある立場で女性登用を進めてきた会社を紹介しながら、成功のポイントを探っていきたい。
まずは、「この5年間で女性部長比率が増加した会社(女性部長比率増加ランキング)だ。最新の『CSR企業総覧』2016年版(基本的に2015年時点)と5年前の2011年版(同上2010年時点)を使用して5年間の増加ポイントでランキングした。
イオンフィナンシャルは女性部長が急増
トップはイオンフィナンシャルサービス(開示対象は主要子会社のイオンクレジットサービス)。女性部長比率は2010年の2.6%(1人)から2015年には24.7%(76人)と22.1ポイント増加した。女性管理職比率も31.9%と高く将来の部長候補者も多数存在する。
妊娠中の女性労働者に対して時差通勤や短時間勤務制度を認めるなど多くの会社と同様の取り組みも行っているが、それよりも大きいのはすでに5年前に存在していた女性部長や女性管理職9.5%(21人)という先輩たちの存在。目標となる女性の存在で後に続く後輩たちがやりやすかった面はあるだろう。
従業員は直近で男性1015人(63.4%)、女性585人(36.6%)と女性管理職比率(31.9%)と女性比率がほぼ同じ水準。男女にかかわらず平等に昇進の機会が与えられていることが伺える。
女性従業員の年齢別比率は、30歳未満57.8%、30代27.4%、40代9.3%、50代5.3%。ちなみに5年前は30歳未満は51.2%と過半数を超えていたが、30代は13.7%と低かった。これが27.4%まで上昇。管理職候補の30代女性が分厚くなっている。
こうした多くの世代で少しずつ女性比率を増やすよい循環が続けば、部長比率をさらに増やすことも夢ではないだろう。
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