男性国会議員も育児休暇を取ろう――。昨年末から自民党の宮崎謙介議員が呼びかけている国会議員の育児休暇の創設が、議論を呼んでいる。自民党内では賛否両論が出ており、どう決着するかは予断を許さない。その評価や考え方は人によってさまざまだろうが、改めて「育休」のあり方に社会の関心が高まっている。
「1億総活躍社会」の実現に向けて放たれた新3本の矢。第2の矢「夢をつむぐ子育て支援」では「仕事と子育てを両立できる環境」の実現などで「出生率」を1.8まで上昇させることを目指している。
共働きが普通になりつつある日本では、「子どもが生まれた後、男女にかかわらず一定期間育休が取れる社会へ変わっていかなければならない」といわれる。しかし、厚生労働省「雇用均等基本調査」によると2014年度の育児休業取得率は女性86.6%に対して男性2.3%と男女に大きな差があるのが現状だ。
では、日本を代表する大手企業はどうだろうか。今回は『CSR企業総覧』2016年版の最新データを使い2014年度の育児休業取得者数でランキングを作成。各社の男性を含めた取得者数に加え、取得者を増やすための取り組みについてご紹介する。
MUFGは男性の育休取得人数も多い
取得者が最も多かったのは三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の2035人だった。うち男性の取得は211人で207人が1週間以内の取得だ。また、育休取得後に実際に職場に戻ってきた比率である育児休業復職率は89.5%だった。
同社の育児休業は「子が満2歳まで」と法定の最長1年6カ月よりも長い。産休は産前26週間、産後8週間と法定の産前6週間、産後8週間を大きく上回る。安心して職場に戻ってこられるように休職前研修・面談を実施。休職中の過ごし方・復職後の働き方を考える機会を提供している。
長期取得だけでなく、キャリア面などを考慮し短期間で復職する場合は「早期復職託児補助制度」といったサポート制度もある。さらに、ダイバーシティ・マネジメント研修で復職者を受け入れる上司に対して、家庭と仕事の両立を目指す社員の育成方法やマネジメントの教育にも力を入れている。
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