2位は企業パブリシティ活動の支援・コンサルティングを行う共同ピーアールで16.6ポイント増。2010年9.7%(3人)から26.3%(5人)へと上昇した。5年前の全社の女性比率は42.3%(110人)と高く、女性部長も当時から存在していたなど女性活用は以前から進んでいた。
ただ、ワーク・ライフ・バランス制度は短時間勤務などが存在するものの、それ以外は特に際立つものはない。有給休暇取得率も低く、『CSR企業総覧』掲載データを見てものんびりゆったり働く環境ではなさそうだ。
2013年12月期、2014年12月期と2期連続の最終赤字で、黒字化に向けて能力の高い人材は男女にかかわらず積極的に登用しなければならなかったという事情もあったかもしれない。
実は会社が苦境下で女性が多く存在している場合に女性登用が進むことはよくある。『会社四季報』2016年1集新春号によると2015年12月期は黒字予想。多様性が根付いた職場は、今後さらに強みを見せる可能性も高い。
ところで、同社はPRが本業の割にはホームページ等を見ても女性幹部の多さをアピールしていない。おそらく「男性が女性が」などを意識しない社風なのだろう。自然体で女性活躍が着実に進みつつあるようで、今後どのように成長していくか注目していきたい。
アイン、みちのく銀なども健闘
3位は病院の処方箋などが中心の門前薬局で首位のアインホールディングスで16.0ポイント増。2010年の7.1%(1人)から2015年の23.1%(6人)に増加した。同社ももともと女性比率は高く5年前で58.8%(780人)と過半数を超えていた。
4位は青森県内と函館が営業基盤の地銀、みちのく銀行。女性部長比率は2010年0.9%(1人)から2015年には12.3%(13人)と11.4ポイント増加した。
5位は医薬品のアステラス製薬。2010年の1.2%(2人)から2015年には9.4%(5人)と8.2ポイント増加。ただ、女性管理職は5.2%と部長比率を下回っている。
今後、安定的に女性部長を増やすためにはその一歩手前の女性管理職者の充実が不可欠。幸い30歳未満の女性比率は45.7%と高い。この層をきちんと育成していくことが今後の大きな課題となりそうだ。
以下、6位みらかホールディングス6.8ポイント増、7位長谷川香料5.7ポイント増、8位日本郵船5.5ポイント増と続く。
ただ、もう少し見ていくと全体的には大きく伸びているとはいえないことがわかる。26位リゾートトラスト(3.0ポイント増)までが3ポイント以上、34位ライオン、東京海上ホールディングス(いずれも2.1ポイント増)までが2.0ポイント以上とランキング上位でも伸び率は決して高くない。
比率が10%を超えているのもイオンフィナンシャルサービス、共同ピーアールなど10社にすぎない。女性活用に定評のある資生堂(44位)でも2010年の10.4%(5人)から2015年12.0%(6人)と1.6ポイントの増加にとどまる。一定以上の水準になるとそこからの上積みは簡単ではないことがわかる。
続いて女性部長数の多さを見てみよう(女性部長数ランキング)。
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