「特に地方は人口の減りが激しい状況で、一人ひとりのお客様を生涯大切にしていく時代に変わってきています。これからの当社は『車を売ること』が商売ではなく、『お客様のカーライフを提案する』ことこそ仕事とすべきなのです」(松沼社長)
「今までは『何が何でも売らなきゃ』という根性営業が鉄則でしたが、『強引に売らなくてもいい』という会社の方針が出て、安心して営業ができるようになりました。ムリな要求をお客様にしたくもないし、それよりも、できることは全力で提供し、お客様にはとことん納得していただいた上で、車をお届けしたいですから」
こう話してくれたのは、3児を持つワーキングマザーであり、毎月の販売目標を連続達成し続け、1年で148台もの車を販売する業販営業(複数の販売店を担当し、販売店経由で車を販売する)担当の神山百合子さんです。
「男性営業はどちらかといえば、目標に対してやり遂げる力があると思うんです。でも私たちは、オーナー様やその奥さまに『応援してもらおう』という巻込み型が得意かも。すぐには成果にならなくても、幸せの種まき活動をしていると思っています」(神山さん)
用があるときだけ来る営業は、自分だって嫌だ
累計300台を売り上げ、直販営業(直接顧客に販売する)担当として着実な成果を残している入社6年目の竹内優希子さんは、同意しつつこう続けます。
「定期的にフォローするということが、女性の強みかもしれません。理由は単純で、お客様の立場だったら、特別に用がなくても、定期的に連絡がほしいと思うから。キャンペーンなど用があるときだけしか連絡してこない営業マンは、自分だって嫌だと思いますね」
同社の女性活躍に取り組む総務・人事部の川森良悦部長によると、「従来の狩猟型営業では、とにかくどんな顧客のところにも訪問して購入を強くお勧めしていました。が、当社はその逆。特に女性営業の場合、リスク管理の視点から、個人のお客様宅へ単独で訪問させない店もあります。当社では『来店型』をお客様に提案することで、社員もハッピー、顧客もハッピーで、その課題は解決されるようになりました」
訪問中心の営業スタイルでは、訪問したのに顧客が留守、移動時間がロスに……などという不確定要素が大きいもの。これを来店型にシフトすることで、社員の労働時間短縮にも繋がります。
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