もちろん職場では、男性も女性も、互いを補完し合いながら活躍していくことが重要。顧客に対する公平感と同様に、あくまで男女間も対等に、そしてどちらかに偏らない舵取りが欠かせません。
女性活用は「手段の一つ」に過ぎない
松沼社長は、強い意志を込めてこう話します。
「いい採用をしても、辞めてしまうと企業の損失になる。いかに『辞めない会社』にするかが大切。そのためには、『自分の会社や仕事に誇りを持てる会社』にすることです。『青森で安定している会社だから』『なんとなく親の勧めで入社したから』『潰れない会社だから』という理由で入社してきても、ロイヤリティは醸成されません。
働く意義を強く抱けるようにすること。そのためには、『青森ダイハツ』というブランドを自分たちで築き上げるしか術がなかったのです。CS(Customer Satisfaction=顧客満足)は大事ですが、それ以上に大事なのはES(Employee Satisfaction=社員満足)。全社員を満足させるのは難しいですが、それでも当社に入ることで『働く意義』をつかんでほしいと思っています。
このブランドのためには、皆の意識を合わせ、一人ひとりが自分の手で創り上げなくてはならない。何か改革を始めようとするときは、女性活躍という一つの手段ではなく、すべてを総動員していく必要があるのです」
高い離職率に頭を抱え、「女性営業なんて定着しない」という固定観念が強く残る業界で、同社に在籍する女性営業は、この10年間、たったの2人しか退職していないといいます。
次回は、どのように「青森ダイハツブランド」を確立させ、「社員が辞めない会社」「社員が働く意義を持てる会社」に変わっていったのか、その具体的な施策についてご紹介します。
(構成:坪田塁)
※ 後編は3月4日(金)の掲載予定です。お楽しみに!
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