「持たない経済」で得する人、損する人 大前研一が語る「アイドルエコノミー」
使われていないものを活用する「アイドルエコノミー」
これまで私は、10年に1回くらいのペースで、経営に関する新たなキーワードを提示してきました。自著『企業参謀』で提示した「3C分析」、その後提示した「Borderless World(国境なき世界)」「Invisible Continent(見えない経済大陸)」に次ぐ新しい概念として、今、私は「アイドルエコノミー」という考え方を提唱しています。
「Idle」とは、「使用されていない」「遊んでいる」という意味の形容詞です。今、特に先進国では物があふれています。一方で、その操業度が不足している。つまり、物ばかりがたくさんあって、それを使う人がいない状態なのです。
インターネットの発達によって今、「使われていないもの」を簡単に見つけることができるようになっています。インターネットで、“空いているもの”と“それを必要とする人”をつなぐことで、それまで無駄になっていたものに新たな価値が生まれるのです。需要と供給を特別な価格で結びつけ、アービトラージ(サヤ取り売買)で利益を得る経営戦略、それが「アイドルエコノミー」です。
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