7割が無許可…京都市の「民泊」は変われるか 小手先の要件緩和だけでは対処しきれない
京都市は5月9日、自宅など空き部屋を旅行者に貸して、ホテル代わりに利用する「民泊」の実態調査結果を発表した。
京都市のウェブサイトに掲載された調査結果によれば、市が8社の仲介サイトで確認した2702件の登録のうち、旅館業法の許可を得ていると確認できたのは、全体の7%にあたる189件だった。68.4%にあたる1847件については、無許可営業であることが推測されるという。
京都市では、「自宅の一部を提供するよう場合であっても、『宿泊料とみなすことができる対価を得て人を宿泊させる業を営む場合』には、旅館業法第3条に基づく許可を受ける必要があります」(ウェブサイトより)としている。
需要が増しているのは確かだが…
今後、民泊はどうあるべきなのか。改善策について、京都市で空き家問題に取り組んでいる中島宏樹弁護士に聞いた。
「外国人観光客の増加等を原因として、京都市をはじめ、全国の観光地で宿泊施設が不足しており、そのため民泊への需要が増しています。他方で、大半の施設は旅館業法等の関係法令に基づく許可を得ておらず、宿泊客がマナーを守らないなど、様々な問題が発生しています。地元住民や業者との摩擦、治安上の問題が発生する恐れも無視はできません」
具体的に、どのような問題が起こっている、あるいは、起こりうるのだろうか。