単純作業をなくしても、「創造性」には繋がらない

オートメーション化に潜むワナ

オートメーション化が進み、パイロットのスキルにも影響が及んでいる(写真:Violin / Imasia)

クラウド、ウエアラブルデバイス、M2M、IoT、ドローン……、年を追うごとに世の中はどんどん便利になり、快適になっていく。今から30年後の2045年には、コンピュータが人間の知能を越えるという予測もあり、そのような技術的特異点の先には、今とはまったく違う世界が広がっているかもしれない。

タイトルからも一目瞭然であるように、本書はそんなオートメーション化していく世の中に対して警鐘を鳴らす1冊である。とは言っても、不可逆な流れにあらがうドン・キホーテのようなスタンスではなく、またいたずらにテクノロジー失業をあおるようなものでもなく、オートメーションが人間の身体にどのような影響をもたらしているかを、数々の先行事例を基に分析している一冊だ。

スキルが衰えるパイロット達

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たとえばこの数十年間にオートメーション化が進んだ業界として、航空業界の事例が示されている。機械システムからデジタルシステムへの移行、ソフトウエアとスクリーンの増殖、肉体労働のみならず頭脳労働までもがオートメーション化されたことによって、パイロットという存在の定義自体があいまいになってきているのだ。

実際にパイロット達に「高度にオートメーション化された飛行機を操作する経験によって、自分の手動操縦能力が影響されたと思うか」と尋ねると、4分の3以上が「スキルが衰えた」と回答し、スキルが向上したと感じているのはごくわずかであったという。

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